
数年前の秋、私は娘の姿に心を打たれました。群馬県太田市立西中学校の吹奏楽部に所属していた娘が、東日本学校吹奏楽大会という大舞台に立ったのです。
会場は遠く北海道。
その旅も、その舞台も、そしてその音楽も──すべてが、今でも私の胸に鮮明に残っています。
一音にかけた努力の日々
娘が吹奏楽に打ち込んだ3年間。
朝早くに家を出て、放課後は遅くまで練習。土日も関係なく、楽器と仲間に向き合う日々を私はそばで見てきました。
「今日、先生に褒められたよ」
「音が揃って、鳥肌が立った!」
時には悔し涙をこらえながらも、吹奏楽を心から楽しんでいた娘の姿は、母として本当に誇らしかったです。
東日本大会、北海道の地へ
群馬県大会、西関東大会を勝ち抜き、ついに2015年10月に開催される第15回東日本大震災学校吹奏楽大会出場が決まった時の娘の顔は、一生忘れません。
「北海道に行ける!」と喜びながらも「もっと上手くなりたい」と、練習はさらに熱を帯びていきました。
そして迎えた本番。澄み切った北海道の空の下、娘たちは全力の演奏を届けました。
銀賞の輝き、涙の意味
出場した第15回東日本学校吹奏楽大会では、福島弘和先生作曲の『森にいだかれて』を演奏しました。
この大会は2015年10月10日、北海道札幌市の札幌コンサートホールKitaraで開催され、西関東代表として出場し、銀賞を受賞しました。
西関東地区代表として出場した娘達。結果は銀賞。
でも、賞の色よりも、そこにたどり着くまでの努力と、本番の舞台で奏でた一音一音が何よりも尊く、美しかったと感じています。
演奏後、涙ぐむ娘が「悔しいけど、楽しかった」と笑ったその笑顔は、今も私の宝物です。
親として得た、大切なもの
あの経験は、娘にとっても、そして私にとっても一生に一度の思い出になりました。
吹奏楽という世界が、こんなにも子どもたちを成長させ、感動をくれるものだと知り、私は心から感謝しています。
学校の先生方、仲間たち、そして音楽に、心からありがとう。
※この記事は実際の体験を元にした、個人的な記録です。